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Fat Lavaについて

Fat Lava(ファットラヴァ)って何?

1950~70年代のドイツ(主に西ドイツ)で、盛んに作られていた
芸術性に富んだ陶器を総じて、West German Art Potteryと呼ばれています。

 
その中で、主流となった厚ぼったい(fat)溶岩(lava)のような釉薬が施された手法を
Fat Lava(ファットラヴァ)と呼びます。

 
この名称は、2006年にMark HillとGraham Cooley博士が開催した「Fat Lava展」で
初めて使われた造語です。

特徴のある独特の釉薬を、素直にうまく表した言葉だと思います。
 
名称の使われ方としては、West German Art PotteryとFat Lavaが同義語とされたり、
少しあやふやな使われ方もあります。

正確には、Fat LavaはWest German Art Potteryの一部のカテゴリーということです。
 
当店では、Fat Lavaを中心に、West German Art Potteryを取り扱っています。
また、ドイツの影響を受けた近隣の国のFat Lava様式の陶器も、ご紹介できればと思っています。
 
枠にはまりすぎず、自由に、陶器のおもしろさを感じて、暮らしに取り入れていただけたら嬉しいです。

West German Art Potteryの歴史

BAUHAUSの影響

ドイツは、デザイン大国です。
それには、BAUHAUS(バウハウス)の存在が欠かせません。
 
バウハウスは、1919年にドイツ中心の街ワイマール共和国に設立されてたデザインスクールです。
1933年までのたった14年間ですが、今なお建築やデザインで世界中に大きな影響を持っています。
もちろん、West German Art Potteryも無関係ではありません。
 
バウハウスの教育は、予備教育で理念や表現などを学んだ後工房に入り、
陶器、印刷、織物、彫刻、ガラス、木工などのそれぞれのコースにいるマイスターのもとで、
実践的な技術を学ぶ教育システムでした。

 
陶芸学科は、他学科の教授との対立により、1925年のバウハウス移転の際に外れてしまいます。
しかし、わずか6年間の間に学生たちに教えたことが、後の西ドイツの陶芸に大きな影響を与えました。

大戦を経て

第二次世界大戦後、長年の大戦から解き放たれ、経済活動が動き出し、好景気が始まりました。
製造業者は、生産の体制を整えることができ、陶器デザイナーたちは、自由に形、釉薬、模様などの
実験的な試みをすることができました。

そして、一気に陶器産業は独創的なデザインを生み出していきます。
 
また、そのころのドイツ陶器は、北欧諸国やイタリアから強い影響を受けたと言われています。
それは、ドイツがヨーロッパの中央部にあることからも、ヨーロッパ各国のデザインに
触れる機会が多かったことが理由です。

特に、北欧諸国は、すでに数十年前からデザイン界を牽引しており、影響力が大きい存在でした。
店主が、Fat Lavaを含めたWest German Art Potteryが、北欧インテイリアにとても合うと感じるのも、
納得です。